「あれだけ勉強したのにE判定か。」
そうつぶやきながら、T○Cの模試結果の用紙をくしゃくしゃにした。
毎日忙しい合間をぬって2時間ぐらい勉強していた。
・・・なのに、結果が出ない。
講座ははじめの1ヶ月で行くのをやめた。
授業を受けるのが馬鹿らしかったから。
「俺なら出来る。自分で勉強したほうが早い」
そう思い、独りで勉強するようになったんだ。
しかし、現実はそこまで甘くなかった。 |
全く結果が出なかった。
不安に思い授業に戻ろうとした。
しかし授業進みすぎて全く理解できなかった。
途中から授業を聞いてもまったく意味がわからない。
「自分は本当に公務員試験に合格できるのか?」と寝る前に考えるようになった。
人生に相当不安を感じていた。
周りの友達は就活の準備をしている。
自己分析やエントリーシートの話が多くでるようになった。
・・・俺も就活しようかな。
イメージしても、自分が民間企業で働く姿が想像できなかった。
いやいや、俺は何を考えているんだ。
せっかくここまで公務員試験の勉強を頑張ってきたんだ!!
ここで諦めたら、今までの努力がすべて無駄になる。
せっかくお金を払ったのにそれでいいのか!!
このまま民間企業の就活をしても良い企業で働くことはできないんだから。
俺には公務員試験しかない!!
もう少し頑張ってみよう。
その2週間後、模試の結果が返ってきた。 |
・・・またE判定だった。
さすがにショックだった。
でもこのことを相談できる友達はいなかった。
周りの友達も就活で忙しい。
親にも弱音を吐けない。
一緒に公務員講座を受けてる友達がいない。
誰にも相談できなかった。
寂しかった。
孤独だった。
こんなに頑張っているのに、全然成績がでなかったんだから。
俺は何のために頑張っているんだ? |
誰のために?
そもそも公務員なんて「安定」を求めただけだろ?
こんなゲスい理由で本当に面接に合格できるのか?
まだ勉強していない科目はいっぱいあるぞ。
本当に間に合うのか?
「・・・俺の人生は大丈夫なのか??」
もし公務員試験に落ちてしまったら、大学を卒業してもフリーターだろう。
こんな俺が本当に合格できるの?
そこまでリスクを抱える必要あるか?
滑り止めに民間企業でも受けておこうか?
・・・いろいろと考えすぎてちょっと疲れてきた。
やっぱり家でずっと考えてもダメだ。
ちょっと散歩に行って考えよう。
私のマンションは飲み屋街の近くにある。 |
孤独を紛らわせるために、飲み屋街へ歩いていった。
ずっと1人でいれば、変なことを考えそうだったから。
飲み屋街にはいろいろな人がいた。
カップルが腕を組みながら歩いている。
はげたおっさんが部下らしき人と千鳥足でフラフラしながら歩いている。
遠くのほうで大学生らしき人が胴上げをしている。
・・・みんな、楽しそうだ。
俺は半年前まではこんな生活をしていたんだ。
なのに、今は。。。
なぜか涙が出そうになった。
自分だけ報われない気がした。
世の中の人が眩しく見えた。
駄目だ駄目だ。ちょっと落ち着こう。
そういえばのどが渇いたな。
「飲み物を買おう」
ひとりごとのようにつぶやいた。
あたりを見てみると、30メートル先に自動販売機を見つけた。
右上の水を買おうと、右ポケットに閉まっていた財布を取り出した。
・・・財布にはお金がなかった。
「あ、そうだ。夜ご飯でカップラーメン買ったんだった。もうお金が無いな。」
コンビニでお金をおろしても、手数料がかかってしまう。
バイトもやめたんだから我慢するか。
バイトをしていた時には
こんなことに気づかなかった。 |
自動販売機がこんなに眩しく見えることに。
俺は本当に何をしているんだろう。
「このままで本当に良いんだろうか?
もー辞めて楽になろうかな・・・」
もし「公務員試験を受ける!!」という決断した時に戻ることができるなら・・・
今俺はどうしているだろう?
・・・答えを出すことを辞めた。
暗いことしか考えなくなりそうだから。
そんなことを考えていると。
急に右ポケットに入っていた携帯が鳴った。
なんでだろう?
画面を見ると、母親からの電話だった。
「あんた公務員試験の頑張ってる?」
親の声を聞いたら、涙がこぼれそうになった。
「頑張ってるよ。」
泣くのを我慢するために小声で返した。
母親はこう続けた。
そろそろ諦めるのかと思ってね。
がんばりなさいよ。
諦めたらダメよ。
さすがは母親だ。
何か察したのだろう。
それ以上は何も話さず、すぐに電話を切った。
「母親を心配させて、情けなくないのか。
何を不安になっているんだ。
そんな弱気じゃ公務員試験に合格するわけ無いだろう。」
公務員試験に合格して、親を喜ばせよう。
俺ができる親孝行はこれぐらいしかない。
私は昔から
諦める癖があった。 |
小学校のスイミングスクールも1年で辞めたし、習字も半年で辞めた。
ボーイスカウトは3日で辞めた。
そんな昔のことを思い出した。
母さんをいつも困らせてばっかりだったな。
そろそろ親孝行をしてあげないと。
だんだんとやる気が戻ってきた。
不安を解消するためにできることをしよう。
何かいい方法はないだろうか?
そうやってサイトを調べると、あるページにたどり着いた。
「不安を解消し、やる気を出すための3つの方法」
よし、これをやってみよう。
1つ目は運動だ。 |
鬱っぽい時は運動して、脳に酸素を取り入れるのが良いらしい。
そう言えば最近運動していなかったな。
30分ぐらい走ってみよう。
久しぶりの運動は気持ち良かった。
夜の街の風を感じる。
冷たい風が、頬をなでた。
徐々にペースを上げた。
「はぁ・・・はぁ・・・・」
息が上がる。
マイナス思考が止まった。
気持ちが落ち着いたのを感じた。
・・・久しぶりにこの感じだ。
汗をかいて、だいぶさっぱりした。
気持ちに雑音がなくなった。
よし、じゃ次の方法に進もう。
次は何だ?
2つ目は「悪の感情を解放する」 |
「目標を達成した時に、誰に嫉妬されたいか」を紙に書くこと。
よしこれもやってみよう。
俺は誰に嫉妬されたいんだろう?
ある友達が思い浮かんだ。
そいつは、俺が公務員を受けること報告した時。
「お前に合格出来るわけ無いだろう。」と言ってきたやつだ。
そうだ。俺が合格してあいつがブラック企業で働いていることを想像してみよう。
2年後、あいつが仕事に疲れて俺に公務員試験の相談をしてきた。
「俺も公務員試験を受けたい。」
と言われた時に
「お前にはムリだよ。」と言いたい。
心がざわついた。
なぜかワクワクしてきた。
・・・もっと考えてみよう。
そうだな。
元カノに「あの時別れるんじゃなかった」と言われたい。
あいつ俺のことをゴミのように捨てやがったからな。
公務員試験に合格した後、
ヨリを戻してほしいって言われたことを想像しよう。
その後
「ごめん。お前よりいい彼女見つけたから。」
と言ってやろう。
あいつは相当悔しがるだろう。
分かれたことを後悔させてやる!!
段々と楽しくなってきた。やる気が湧いてきた。
身体に力がはいる。今なら何でもできそうな気がする。
それぐらい元気になってきた。
よし最後の3つめの方法を
試してみよう。 |
なになに?
紙に自分の叶えたい目標を書き、HOWを問い続ける。
やってみるか。
「公務員試験に合格したい」を「HOW」と考えてみよう。
・どうすれば公務員試験に合格できるのか?
→そのためには、筆記試験と面接対策と論文対策があるな。
じゃー筆記試験について考えてみよう。
どうすれば筆記試験に合格できるんだろう?
確か模試の点数は・・・約5割だったな。
ということは後2割必要なんだ。
・・・じゃ、その2割を掴むには何が必要なんだろう?
ちょっと模試を調べてみよう。
あれ、俺って、基本問題が全然できてないじゃん。
曖昧だった知識の問題で間違っているな。
これって修正したら6割いけそうだな。
あとは、数的処理をしっかりこなせば、7割は固い気がする。
段々とやるべきことが明確になったことに気がついた。
・・・
よし、後は行動するだけだ。
やる気がみなぎってきた。
自分のやるべきことが明確になったからだ。
「基本的な問題さえ押さえたら合格できる。
応用問題は捨てよう。」
だんだんとやる気が湧いてきた。
それからの努力はすごかった。
毎日図書館に行き、計画通りに努力した。
やるべきことが明確になった。
迷いが消えた。
段々と行動する気になった。
やるべきことが明確になっているから、
ウジウジと悩むことがなくなった。 |
それからはすごかった。
一日で約10時間ぐらい勉強できるようになった。
やる気を保つ方法さえ学べば、人生は上手く行く気がする。
ダイエットも。
仕事も。
勉強も。
自分の理想を叶えるために、
このやる気を出す方法はめちゃくちゃ役に立つんじゃないか?
もしこれを知っていたら・・・
俺はどれだけ自分の思うように生きて行くことができただろう。
どれだけ、自分の人生を変えられただろう?
もう怖いものがなくなった。
周りの友達が民間企業の内定をもらって、少し不安になったこともある。
しかしすぐにその不安は解消された。
この3つの方法を使えばすぐにモチベーションが戻るからだ。
もうマイナス思考で悩むことはなくない。
モチベーションを維持するための3つの方法
1.運動する
2.悪の感情を使う
3.問題を切り分ける
この3つはやるべきことはやる気を引き出す魔法のツールだ。
モチベーションを爆発的に生んでくれる。
もちろん試験の結果は合格。
第一志望の地元の県庁に入庁できたとさ。
この話を聞いてどう思いましたか? |
実はこれ私の話なんです笑
あなたは今どんな状況ですか?
周りの友達に内定が出てとても不安を感じたからかもしれません。
もしかしたら心が折れそうになっているかもしれません。
自分に自信がなくなったのかもしれません。
将来に不安を覚えたのかもしれません。
もしそんな時があれば、この3ステップを試してみてください。
1.運動する
2.悪の感情を使う
3.問題を切り分ける
この3ステップ。
シンプルだがこの3ステップはあなたの人生を変えてくれるはずだ。
あなたは試験に不安を感じているんだと思う。
本当に合格できるか不安を抱えていることでしょう。
そんなあなたに次の言葉を贈ります。
諦めるのはいつでもできるが、 諦めないのは今しかできない。
これは江頭2時50分さんの言葉です。
さて。
今回のレポートは
これで終わりです。 |
どうでした?
ちょっと昔のことを思い出すいい機会になりました。
ちょっと恥ずかしかったんですが笑
臨場感がある物語だったんで、結構読みやすかったと思います。
このレポートを読んで何かしら思うことはあったはず。
公務員試験で大事なのは
モチベーションを維持するルーティーン
を自分の中に持っておくことです。
それを知っているかどうか。
それで勉強が継続できるかどうか変わってきます。
あなたも諦めず、頑張っていきましょうね!!
それではまた!!